ロキオ観察日記

カナダ人夫との国際結婚ライフ

ど緊張ロキオ。義理父に一番言ってはいけない言葉。

こんにちは。ゆかばんです。

自己紹介はこちらからどうぞ。

 

 

 

カナダの大熊、ロキオと結婚して早2年半以上が経った。

 

ロキオは3年前、仕事を辞めて3カ月の休暇を取り、わたしと一緒に日本へ来た。

結婚を決めたのは、滞在して2か月が経った頃。

日本滞在期間中はわたしの実家で母親と3人で暮らしていた。彼が数カ月で帰国してしまうのが寂しくて泣いてしまうくらい、彼女はロキオのことを気に入っていたので、結婚することにも大賛成してくれていた。

 

 

 

ある日、いよいよ父親にも挨拶をしなければならない日が訪れた。

 

父は当時仕事の関係でわたしの実家から2~3時間ほどかかる場所に住んでおり、一度目は観光も兼ねて彼の住む町へ2人で泊まりがけで出かけて、夜まで飲んだ。

父はわたしたち2人を行きつけのレストランや雰囲気のいいBARへ連れていってくれて、3人でお酒を飲みながらいろんな話をした。

しかしお互い「初めまして」だったこの回では、結婚のけの字も出ずに終わった。

 

それから少し経って、父がわたしたちの住む町へ出てくる用事があるからまた食事に行こうという話になり、わたしはロキオに言った。

 

 

「言うならここだね。」

 

 

ロキオは真面目な顔で、「OK」とだけ言った。

 

 

父が来る数日前のある夜、ロキオが急に

「お父さんに言う言葉を練習したから、リハーサルしたい。」

と言い出した。

 

当時彼は週2で日本語学校の初級クラスに通っており、その日はクラスが終わった後に先生を呼び出して、結婚の許しをもらうためのフレーズ(日本語)を聞き出していたのだ。

 

 

わたしは感動した。

父にリスペクトを示すために、異国の言葉を彼なりに一生懸命練習したのだ。

 

 

「わかった。じゃあわたしがお父さん役ね」

わたしは彼の練習の成果を早く聞きたくて身を乗り出した。

 

 

 

ロキオ「ふぅ~(深呼吸)。」

 

 

わたし(ドキドキ・・・)

 

 

 

 

「おじょうさんと、シタイです!!!!オユルシイタダケマスカ?????」

 

 

 

 

 

一瞬時が止まった。文字通り、わたしの目は点になっていた。

彼は「どう?どう?Good?」とを無垢な瞳でわたしを見つめている。

 

 

 

 

数秒後、わたしは我慢できずに困り顔のロキオをよそに笑い転げていた。

彼は「何??なんか間違ってた?」と必死に聞いてくる。

 

 

 

ようやく笑いがおさまり、わたしは彼に説明した。

 

 

彼が先生に習ったのは、

「お嬢さんと結婚したいです。お許しいただけますか?」

だったのだが、どうやら彼はkekkonの部分を書き忘れて帰って来たらしい。

 

 

日本語とはおそろしいものだ。

たった1語のミスで人生を変えてしまうかもしれない。

 

わたしは心の底から「練習でよかった」と思った。

ロキオはその後何度も何度も「ケッコン、ケッコン・・・」とつぶやいていた。

 

 

 

 

 

本番当日。

わたしたちは街の中のBeer Barからスタートし、お好み焼き屋で空いた腹を満たし、3件目はワインが美味しい洒落たイタリアンの店へ向かった。

こんなに緊張しているロキオは、後にも先にも見たことがないというくらい、お好み焼き屋では引きつった顔でカシスソーダを一気飲みしていた。会話上手なはずなのに、今日は妙に空回っている。

 

イタリアンレストランで鯛のカルパッチョをお供にワインを数杯飲んだ後、父はトイレに立った。

 

 

「ロキオ、そろそろいいんじゃない」

わたしはささやいた。

 

「よし。言おう」

彼は明らかに緊張していた。

 

 

 

父が帰ってきて、わたしは切り出した。

「お父さん、今日は2人からお父さんに伝えたいことがあるんだ。彼に言ってもらうね。」

 

わたしがロキオに合図し、彼は「おじょうさん」の部分で少しつっかかりながらも、

しっかり「結婚」の2文字を父にぶつけた。

よくやったロキオ!(わたしは心の中でガッツポーズをした)

 

 

 

 

父は、緊張とお酒で顔が真っ赤になったロキオに微笑みながら言った。

 

「はい。わかりました。そのかわり、娘を幸せにしてね。」

 

 

 

 

その後、緊張から一気に解放されたロキオは幸せが爆発し、さらに飲みだした。

今思うと、父もこのことを予想していたのかもしれない。2人は「さっきまでの空気は何だったのか」と思うくらい意気投合して飲みまくっていた。

 

 

「いやぁ~まいったなあ。僕の一人娘が結婚かあ。」

 

 

父は笑いながらロキオに酒を注いでいる。

寂しいのと嬉しいのと、半々かな。どうだろう。父の気持ちは分からないけれど、ロキオに心を許し始めていることは明らかだった。

 

 

イタリアンの後は叔父が経営している地下のBARで、カラオケをしながらさらに飲んだ。2人とも気の抜けた顔で肩まで組んで、Beatlesの「Hey Jude」を熱唱している。

酔ったおやじが手に負えないのは、わたしも酒豪の父のおかげで重々理解していたので、「今日くらいいいか」とべろべろの2人を見守った。

 

 

 

なにはともあれ一件落着。

あの日から父とロキオはかれこれ3年近く会っていないけれど、また2人で日本へ行くときは元気なわたしたちを見せてあげたいな。

 

 

 

(ちなみに後日ロキオは例の日本語クラスで、この「おじょうさんとシタイです事件」を暴露。

クラスメイトから、

「Well, at least you were honest.(まぁ、少なくとも正直だからいいさ)」

と言われ、教室中大爆笑だったそうです。いや正直すぎるやろ。

もはや彼の中でも完全にネタです。)

 

 

 

拝啓 父上様。

わたしたちは今日も幸せです。

 

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