ゆかばん脳内散歩

カナダ暮らし写真家の日常と思考録。

ロキオの好きなにほんご

ロキオ的にほんごブームというのがある。

覚えて響きが気に入ればそればっかり使っている。

 

ちなみにロキオの日本語レベルは2歳児くらい。

「ありがとう」「よろしく」「お疲れ様」くらいは言えるけれど。

 

 

最近は「寒い」「暑い」という言葉を自分でアレンジして「しゃむい」「あちゅい」というのにはまっている。

 

「それさ、赤ちゃん言葉っぽいから幼稚に聞こえるよ。家で使う分にはいいけど」

「Ok. I only use them at home!(わかった!家でだけ使うよ)」

 

 

それで毎日、朝方にかけぶとん布団がないと(わたしが寝ている間にくるくる回転して彼の分も巻き取ってしまうため)、「しゃぁああむいいいいい!」を連呼しながら必死に布団を奪い返そうとする。

 

つい先日友人一同とバトミントンにをしに出かけた時も、始めて15分くらいですぐに汗だくになり(やたら代謝がいい)、「あーーーちゅいいいいいい!!」と叫びながら飲み物を買いに行っていた。もはや公共の場でも家でも関係なく使っている。

 

 

 

あとは「あまかけるりゅうのひらめき!」という言葉にはまって練習していた時期もあった。「あまかけるりゅうのひらめき」とは、漫画「るろうに剣心」の主人公剣心が物語後半に習得する必殺技の名前である。以前2人でアニメを観ている時に剣心がこのワードを叫びながら敵に技を仕掛けるシーンに出くわした彼は、なんどもこの言葉を練習していた。

 

英語話者にとって、これをスラスラいうのは相当難しいようだった。特に「る」と「りゅ」の部分でつっかかるらしい。外国人の知り合いがいる人はぜひ言わせてみてほしい。絶対「Oh my god, it's too hard!」っていうから。

 

習得の難しさと使う頻度とを天秤にかけた時にどうにもわりにあわないので、彼の必死な有様をみて止めようかとも思った。

けれど,日本人でさえその大半が言わずして一生を終えるであろうこの言葉を、他にも覚えることあるだろうよと思わざるを得ないこのセリフを、なんとか習得しようと必死になる彼がなんともシュールで可愛かったので放っておいた。言えた時は「ねぇ!ワイフ!聞いた?聞いた?」と嬉しそうに報告してくる。

 

 

 

 

ある日、一緒にジブリの「平成狸合戦ぽんぽこ」という映画を見たことがあった。

途中、どういう話の流れだった忘れてしまったのだが、男たぬきたちが彼らの玉袋で(お食事中の方はすいません)空を飛ぶシーンがあった。これがロキオをかなり混乱させてしまった。日本のたぬきは玉袋で飛べるの?とか聞かれてしまった。わたしは何も答えられず、とにかく最後まで観た。

映画を見終わった後彼に「ところでタイトルのponpokoってどういう意味?」と聞かれた。玉袋の件でわたしも気が動転していたのだろう。何を思ったのか、彼曰くわたしはその時「ぽんぽこってのは精巣のことだよ」と答えたらしい(本人は記憶にない)。

 

 

それ以来、かれの中でぽんぽこは「あの袋」ということになってしまった。

またつまらぬ日本語を教えてしまった・・・。しかも間違ってるし。

響きが気に入ったのか、ことあるごとに「俺のぽんぽこが~」というような謎の下ジョークを言うようになってしまい、わたしは深く反省した。

日本に帰った時、万が一お好み焼き屋「道頓堀」に行こうものなら、「ぽんぽこぽん!」が飛び交う店内とそれを笑顔で連呼する店員に、彼は確実に困惑してしまう。

何の店だろうここは?!と思うに違いない。

 

 

かと言って、じゃあぽんぽこってなんだよって言われても説明が難しい。

たぬきの鳴き声はぽんぽこではなく多分「ギィーギィー」とかそんなんだろうし(適当)、結局何をもってたぬきをぽんぽこと表しているのかわからないので、わたしは途方に暮れている(誰かヘルプ・・・!)。

 

 

「どすこい!」という言葉にはまっていた時もあり、わたしが何か頼みごとをするたびに「どすこい!」と返事をしていた。

 

「ロキオ、ゴミ捨ててきて」「どすこい!!」

「もう~また靴下脱ぎっぱなし。かごに入れといて。」「どすこい!!!!」

 

・・・。何かが違う。

 

 

日本語はややこしい。

彼にはいつかちゃんとプロに教わってほしいと思っているので、わたしがあえてそれを一から教えることはないのだけれど、彼は彼なりに気にいった響きのものを拾ってはそれをそのまま口に出しているから、わたしも言葉には気をつけなきゃなと思う。

 

 

けどまあ、わたしの耳と目にはわりと分厚い旦那フィルターがかかっているので、多少ニュアンスが違っても彼が言う日本語はなんでも可愛いなと思ってしまう。で、結局直さずそのまま言わせとく。

 

なんだろうね、可愛いんです。

心の中で「ちょっとそれ違う~(笑)」と一人でつっこむのを楽しんでいる節はある。

きっと近い将来彼は日本語を話せるようになるんだろうけれど、どこかで「カタコトでもいいのになぁ~」とひっそり思っているわたしもいる。

ロキオくん、2019年はどんな言葉を覚えるかな。

 

 

 

 

みなさんのパートナーはどんな日本語が好きですか?

 

f:id:mrsvvann:20190205155046j:image