幸せは感じるもの。彼の洗濯ものをたたみながら思ったこと。
こんにちは。ゆかばんです。
自己紹介はこちらから。
だんだん温かくなってきた。
(春になると現れるタンポポ群)
その日は仕事がオフで、天気もよく気持ちがよかった。トロントもようやく春、という感じだ。
朝、ロキオが洗濯をしてくれていたようで「乾燥機のタイマーが鳴ったら取りこんでおいてね」とメッセージを残し、伸びた髪を切るため美容院へ出かけていった。
乾燥機から取りだした洗濯ものをわたしのものとロキオのものとに分け、ゆっくりたたむ。
するとどうしてだろう。
目の奥が熱くなってきて、
大切な人の洗濯ものをたたんでいること。
その人と一緒に暮らしていること。
誰に何を言われるでもなく、2人の自由な時間を持てること。
いろんな「事実」に対して、たまらなく幸せな気持ちになった。身体の奥底から湧き上がってくるみたいに、ほんとうに突然、幸せが溢れてきた。その瞬間、泣きそうになるくらい満たされた気持ちになった。
(いつか彼がくれたお花)
愛する人がいる。
愛する人が、わたしを愛してくれる。
そして今、わたしはその人の洗濯ものをたたんでいる。
2人とも健康で、
おまけに夢まである。
なんて幸せなんだろう。
これ以上何もいらないんじゃないかって思えるくらい。
部屋を見渡したら、1年前ここに引っ越してきた時のことを思い出した。
結婚してすぐは悲しいことや苦しいことがたくさんあって、ここに来た時は、やっと新たなスタートを2人で切れることに心が踊った。
あれから1年経ち、あたりまえになりつつあったこの部屋の風景(狭いー!と文句を言ったりもした)。
越してきたあの日、ここにいられることが嬉しくて嬉しくて寝る前に1人で泣いたっけ。彼のジーンズをたたむ手を止めて、ふとあの日のあの瞬間を思い出していた。
幸せって感じるものだ。
何かが当たり前になってくると、人はすぐに周りの状況に文句を言いはじめる。
「もっといい仕事に就けば、もっとお金があれば、もっと美しければ、わたしは幸せなはずなのに!」って。
でも違う。
自分が幸せかどうかは自分で今選べる。
どこに目を向けるか?向けたいか?
それだけだと思う。
ソファの上に、ロキオの黒いバッグが転がっていた。最近自分の夢のためにノートや本を持ってカフェへ行き、猛烈に何かを勉強している。
バッグの口から、「コーヒー大全」らしき分厚い本がのぞいていた。
外のポケットにはペン類が無造作に突っ込んである。
ああ、幸せってこういうことだ、と静かにおもった。
彼の夢を一緒に叶えたい。
叶えるところを見たいと強く思った。
そしてこんな風にも思った。
昔は欲しいとも思わなかったもの、手に入るわけがないと思い込んでいたものがたくさんあって、でも今そのいくつかが叶っている。
大切にしてくれる優しい旦那さんがいること。
海外で大好きな人たちに囲まれて生活していること。
応援してくれる家族がいること。
高くても、質がいいものを手にしたいと思うようになったこと。
自分の生き方を自分で決めようという意志を持てるようになったこと。
高校生のわたしは、こんなわたしを想像もしてなかっただろう。
気づけばたくさんのものを得た今がある。そして現在、あの時の自分が想像もできないようなものをわたしは望んでいる。
そんなわたしは、今間違いなく豊かで幸せだ。
今日のわたしの幸せ。
彼の洗濯ものをたためること。
彼のバッグにコーヒーの本が入っていること。
今夜家に帰ったら、おそらく「ねぇねぇ聞いて!」と今日の出来事を楽しそうに話すんだろう。それを楽しみに午後を過ごせること。
今日のあなたの幸せはなんですか?